皆さんは知っていますか?桜餅の種類 〜道明寺と長命寺〜

皆さんは知っていますか?桜餅の種類 〜道明寺と長命寺〜
2017年5月11日 MELETY

茶道で登場する和菓子について、季節や各月によって差し出されるお菓子は異なる場合があります。これは、お茶をもっとおいしくしてくれるだけでなく、「季節感を感じさせる」ためにあえてアレンジしています。日本は世界でも珍しく、春夏秋冬の四季がしっかりと見えて、花鳥風月を重んじる国民性があります。その名残から、日本の伝統文化でもある茶道にもその四季折々の季節性を取り入れています。

例えば春が到来する3月や4月はどの和菓子でしょうか?皆さんお分かりですよね、答えは「桜餅」です。日本では4月になると桜が綺麗に彩りを添えてくれますが、和菓子にも桜の葉を使った桜餅をいただきながら、春の季節を楽しむのです。でもこの桜餅、実は桜餅の中にも種類があるのを皆さんご存知だったでしょうか?今回はその種類について解説していきます。

 

長命寺さくら餅

東京の方々にとっては、桜餅といえばこちらのお餅を想像する方も多いと思います。長命寺さくら餅は、桜色の生地を薄くして、楕円形に焼いた生地をあんこにに桜の葉1枚と一緒にくむ形です。作り方としてはクレープに似ていますね!さらに葉っぱの部分は、塩漬けしたさくらの葉となっています。

長命寺さくら餅の由来は、今から300年ほど前、東京にある長命寺というお寺の門番(名前は山本新六さんという人)が、桜の落ち葉掃除に悩まされていたときに、桜の葉を塩漬けにして、薄く焼いた生地にあんこを包んで桜の葉を付けて門前で売り出したのがきっかけであり由来とされ、お寺の名前からとって「長命寺」という名前がついたそうです。

 

ちなみに山本さんが創業したお店は現在も「山本や」という名前で、創業時からの味を伝えられています。

山本やHP

 

道明寺さくら餅

関西風は、もち米を蒸して乾燥したものに、道明寺粉という粗挽きの生地であんこを包んでいます。この上から桜の葉っぱでくるみます。

起源は戦国時代にまで遡り、武士が携帯していた食べ物として大阪にある道明寺というお寺で作っていたお餅を食べていたことからこの名前が取られたそうです。

 

桜餅の葉っぱは食べるもの?残すもの?

桜の葉っぱは塩漬けしてあって、あんこの甘さと葉っぱの塩気が絶妙です!ただ、食べても残してもマナー上は問題ないようです。

いかがでしょうか?皆さんも桜餅を見かけたり、いただく際はぜひ気にしてみると面白いかもしれません!