お水屋の仕事ってどんなの?わかりやすく解説

お水屋の仕事ってどんなの?わかりやすく解説
2019年4月25日 りか
In 作法

茶道をしている方にとって、お水屋は身近なもの。しかし、いざお茶会などでお水屋を任されるとなるとお水屋の仕事は意外に沢山あり、驚く方も多いかもしれません。この記事では、そんなお水屋について、どんなことをすればいいのか、どこまでがお水屋の仕事なのかをまとめました。

お水屋とは?

そもそも、お水屋とはどういったものなのでしょうか。
お水屋とは、お茶室で使うお茶碗を清めたり、茶室で使う道具の準備をする場所です。また、その仕事内容や、仕事を行う人のことをお水屋と呼ぶ場合もあります。
茶室に付随して作られており、茶室内で次にどのような動きがなされるのかを分かったうえでの作業が求められるため、静かでありながらも忙しく仕事を行う必要があります。
一般的に「水屋仕事ができてはじめて一人前」と呼ばれるのは、このように水屋として茶室でどのような動きがされているのかということを把握し、道具の扱いやお点前の流れなどの知識が必要となっているためです。

お水屋の仕事

それでは、お水屋の仕事について解説していきましょう!

水屋の仕事とは、流れが決まっているものではなくそのときそのときによって異なります。ですので、毎回異なることをすると思っていてよいでしょう。ただし、基本的に行うことはいくつかに分けられます。今回はその1つ1つの内容について解説いたします。

1.お点前の準備

お点前の準備も水屋仕事の一環です。お茶会などで事前に使う道具が決まっている場合は、お水屋さんが準備する場合が殆どです。
ただし、お稽古の場合などはお点前を行う亭主がお道具の準備を行う場合もあります。亭主が使いたいお茶碗やお道具がある場合、また先生が「お茶碗やお道具の選定も亭主の仕事」という方針の場合などはそうなります。
まず、お茶碗の選定ですが、季節に合った柄や素材、つくりのもの(例えば夏ならばガラスのものなど)を選びましょう。茶杓や茶筅の選定も行います。茶筅はお濃茶用と薄茶用で形が異なっています。それを見分けられるようになるのも水屋として大事な教養です。

棗や茶入れにお茶を入れるのも水屋が行う場合がありますが、これも亭主が行う場合もありますので臨機応変に対応しましょう。お濃茶の場合は、特に茶入れに入れる茶の量が重要になってきますので、亭主が行う場合が多いようです。
茶巾を濡らしてお茶碗に仕込んでおくのも水屋の仕事です。また、水差しに水を入れたり、建水と柄杓を用意したりと、お道具の準備全般が水屋の仕事として充てられることが多いです。

お道具は行うお点前の種類によって異なります。水屋仕事とお点前を行いながら、どのお点前に何の道具が必要なのかしっかりと把握するようにしましょう。

2.菓子の準備

お菓子の準備も水屋の仕事です。薄茶の場合は盆に干菓子を乗せましょう。客は手で懐紙に取るため、お箸の用意は必要ありません。一種類のみでなく数種類を華やかになるように並べるのも大切です。また、一人が複数種類取ることも考えて、人数分ぴったりでなく多めにお菓子を乗せるようにしましょう。
お濃茶の場合は、主菓子を用意します。主菓子とは、羊羹やお饅頭など生菓子と呼ばれる和菓子のことです。こちらは盆ではなくお菓子用の大きな器に盛ります。こちらも華やかに盛ることが大切ですが、一人1つのため、多めに盛る必要はありません。こちらはお箸で懐紙に取るため、お箸も一緒にお出ししましょう。

お干菓子の場合も主菓子の場合も共通して大切なのは、季節にあった器を選定すること、そしてお菓子は必ず奇数に盛ることです。

器についてはお茶碗と同様、柄や形、素材などを季節にあったものにしましょう。もし、事前にお菓子の選定もする必要がある場合はお菓子も季節にあったもの(和菓子は季節に合わせて作られています)を選びましょう。
奇数に盛るということについてですが、茶道の世界においては奇数が縁起がよいとされています。ですので、お干菓子の場合は多めに盛るようにし、主菓子の場合は人数が偶数の場合は器を二つに分けて出したり、銘々皿に乗せて出したりと、偶数個乗せて出す必要がないように工夫しましょう。

3.道具の清め

道具を清めることも水屋の仕事です。日常生活において食器洗いとなると、洗剤を付けて洗って拭くという行程ですが、茶道具は繊細にできておりますので一つ一つ扱い方が重要になってきます。
たとえば、茶杓などは水で濡らすことができないためティッシュなどの乾いたものでそっと清めるだけですし、茶碗も洗剤を使って洗っては大事な模様が取れてしまったりしますのでお水のみで洗います。釜は乾かすために湯を流した後しばらく火にかける必要があります。道具の特性や扱い方を知ったうえで水屋の仕事を行うことが重要と言えます。

4.点てだし

お茶会などの際、時間の関係上または人数の都合上亭主が全員分のお茶を点てない場合があります。その際必要になってくるのが点てだしです。流派や先生によって呼び方は様々ですが、亭主が点てない分のお茶を水屋で点て、客に出すためこのような呼び方をします。
点てだしにもタイミングの読みが必要で、亭主が正客に出した後、次客のお茶をまだ点てている段階で出す場合もあれば、亭主がお茶を点てる人数全員分のお茶を出した後に水屋から点てだしをする場合もあります。そのときによって求められることが異なりますので、その日の亭主に事前に確認しておく方がよいでしょう。

5.片づけ

お点前が終わった後の片づけも水屋の仕事です。お点前が終わると、お道具は一斉に戻ってくるわけではなく順番に戻ってきます。まずは建水や柄杓、そしてお茶碗や水差しなど。清め方は先ほど述べたとおりですが、その後の片づけも水屋でする必要があります。普段使いのお道具は仕舞う場所を覚えておく必要がありますし、お茶会などで先生が持ってきてくださったお道具を使用する場合は箱から出す際にどこに何が入っているかを把握しておく必要があります。
また、お道具をしまう箱の紐の結び方や掛け軸のしまい方、毛氈のしまい方などにもルールが存在することがあります。準備をする際に覚えておくか、先生に聞いておくようにし、スムーズに片づけができるようにしましょう。

水屋の仕事をスムーズにできれば一人前!

今回は水屋のお仕事についてご紹介いたしました。仕事の内容の多さや求められるもののレベルの高さに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
水屋の仕事がスムーズにできれば一人前と言われる茶道の世界。最初から完璧にできる方などいません。そのときそのときに教わりながら、そして積極的に学ぶ姿勢でひとつひとつの仕事を覚えていくことが、茶道の世界での第一歩です。