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茶道を始める際、多くの方が最初に戸惑うのが「服装」です。「洋服でいいの？」「着物は必要？」「どんな服装がNGなの？」そんな疑問をお持ちではありませんか。
この記事では、茶道初心者の方、特に女性が押さえておきたいお稽古とお茶会での服装マナーを、理由とともに詳しく解説します。流派や先生によってルールは異なりますが、茶道に求められるのは「場への敬意」と「清潔感」。基本を理解すれば、自信を持ってお稽古に臨めます。
茶道の服装の基本ルール｜まずは先生に確認を
お稽古の服装について不安がある場合は、まず先生に確認するのが最も安心できる方法です。流派によっては、裏千家のように洋服での参加が比較的自由な場合もあれば、表千家のように着物での参加が基本とされる場合もあります。
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]流派[/thcol] [thcol]服装の基本[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]裏千家[/tcol] [tcol]洋服での参加が比較的自由[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]表千家[/tcol] [tcol]着物での参加が基本[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]武者小路千家[/tcol] [tcol]流派・教室により異なる[/tcol] [/trow] [/table]
ただし、「私服でOK」と言われた場合でも、部屋着やカジュアルすぎる格好（穴の開いたジーンズなど）は避け、最低限のマナーを守りましょう。
【女性向け】茶道の服装｜洋服選びの3つのポイント
洋服で参加する場合、清潔感があり、落ち着いた色合いの服装を心がけます。茶道では正座や「にじり」という座ったまま移動する動作を行うため、服装選びには注意が必要です。
1. 膝が隠れる丈のスカートを選ぶ
茶道の稽古や茶会では正座をしたり、畳の上を座ったまま移動する「にじり」という動作を行います。この際、スカート丈が短いと膝が見えてしまい、周りの人が気になってしまいます。
おすすめのスカート丈と形
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]項目[/thcol] [thcol]推奨[/thcol] [thcol]理由[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]スカート丈[/tcol] [tcol]膝下～ロング丈[/tcol] [tcol]正座した時に膝が隠れる長さ[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]スカートの形[/tcol] [tcol]フレアスカート・プリーツスカート[/tcol] [tcol]広がりがあり、足を崩したいときにも安心[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]特におすすめ[/tcol] [tcol]タイトなロングスカート[/tcol] [tcol]着物に近い着用感で正しい所作が身に付きやすい[/tcol] [/trow] [/table]
パンツスタイルについて 女性の場合、一般的にパンツ（ズボン）は避け、スカートが推奨されます。ただし、瞑想などを行う教室では、締め付けの少ないゆったりとしたパンツやスカートが勧められる場合もあります。
2. 露出の少ないトップスを選ぶ
お辞儀をする場面が多いため、胸元が大きく開く服や、袖口がひらひらするフリルなどは避けます。
夏場：薄手のカーディガンなどを羽織って肌の露出を抑えましょう
理想的なトップス：長袖のブラウスや控えめなデザインのニット
3. ブーツは避ける
茶室は着物を着る前提で作られているため、下足箱が草履のサイズを基本としており、ブーツは置く場所がないことがあります。冬場であっても、ブーツは履いていかないのが無難です。
茶道で必須｜足元と手元の清浄マナー
茶道では、千利休の精神の一つである「和敬清寂」の「清」（清潔さ）を非常に重視します。この「清」の精神は、足元と手元に顕著に表れます。
必須アイテム：白い靴下（白足袋）の理由
茶室は清浄を保つ場所であり、お菓子や道具を置く場所でもあります。そのため、茶室に入る際には、日常の汚れが付着していない白い足元が必須です。
服装別の足元マナー
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]服装[/thcol] [thcol]足元[/thcol] [thcol]ポイント[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]洋服の場合[/tcol] [tcol]白い靴下[/tcol] [tcol]茶室に入る前に履き替える。ストッキングやタイツの上から重ね履きする場合も[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]着物の場合[/tcol] [tcol]白足袋[/tcol] [tcol]予備の足袋を1足持っておくと安心[/tcol] [/trow] [/table]
アクセサリー・ネイル・香水は全て外す理由
これらのマナーは、あなたの大切な道具や、亭主の貴重なお道具を守るためにあります。
外すべきもの一覧
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]項目[/thcol] [thcol]理由[/thcol] [thcol]対処法[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]指輪・時計・ネックレス[/tcol] [tcol]茶碗や菓子器などの割れ物や漆器を扱う際、金属が当たって道具に傷をつける可能性[/tcol] [tcol]控えの部屋（寄付待合）に片付けるか、バッグやポケットにしまう[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]ネイル・長い爪[/tcol] [tcol]茶器に傷をつけたり、お茶が上手に点てられなくなる[/tcol] [trow]派手なネイルは避け、爪を短く清潔に整え、マニキュアも落とす[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]香水[/tcol] [tcol]お香やお抹茶の繊細な香りを味わうことを妨げ、場の調和を乱す[/tcol] [tcol]茶道のある日は香水や匂いの強い整髪料を使用しない[/tcol] [/trow] [/table]
茶道の服装｜着物を選ぶなら
着物は茶道の正装であり、着付けの練習にもなりますが、抹茶をこぼすなどのリスクもあります。
お稽古用着物の選び方
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]用途[/thcol] [thcol]おすすめ[/thcol] [thcol]理由[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]お稽古用[/tcol] [tcol]ポリエステルやレーヨン素材の着物[/tcol] [tcol]抹茶をこぼすなどのトラブルに備え、自宅の洗濯機で洗える[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]万能な着物[/tcol] [tcol]色無地（一つ紋入り）[/tcol] [tcol]柄がないため華美を避ける茶道の精神に通じ、帯の合わせ方で格を調整可能。準礼装としてお茶会にも使える[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]避けるべきもの[/tcol] [tcol]紬（つむぎ）[/tcol] [tcol]普段着とされるため、あらたまったお茶会にはふさわしくない[/tcol] [/trow] [/table]
茶道の服装をおしゃれに｜便利なお稽古着と懐紙
洋服で参加する場合でも、お点前に必要な機能を備えた「お稽古着」や「懐紙入れ」をプラスすることで、一気に所作が美しく、粋な大人の雰囲気になります。
機能的なお稽古着の選び方
3WAYのコートワンピースのように、私服の上から羽織るだけでお点前のできる格好になるアイテムは、忙しい女性にぴったりです。
特徴：上質なサテン生地のコートワンピースは、着物の襟のように懐紙を入れられるポケットがついており、外からは目立たないデザイン
その他のお稽古着：着物のようなデザインの上下二部式のお稽古着や、帛紗を挟むための腰紐や懐紙用ポケットを備えたベストタイプの稽古着
粋な大人の必須アイテム「懐紙」
茶道で懐紙は、お菓子を受ける皿代わり、口元や箸先を拭うティッシュ代わり、食べきれないお菓子や小骨を包む包み紙として、「受ける」「拭う」「包む」の3つの用途に欠かせません。
懐紙の種類と選び方
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]項目[/thcol] [thcol]内容[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]デザイン[/tcol] [tcol]洋菓子に合うマカロン柄・クッキー柄、もみの木と雪の結晶、紅葉、山桜、あじさいなど季節感あふれる柄、裏刷り懐紙（裏面の柄が透けて見える）[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]サイズ[/tcol] [tcol]女性用（縦14.5×横17.5cm程度）、男性用（縦17.5×横20.6cm程度）、ミニサイズ（MINI）[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]紙質[/tcol] [tcol]水分の多い水菓子用：りゅうさん紙（硫酸紙）や防水加工された懐紙、油分を通さない特殊加工された懐紙[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]普段使い[/tcol] [tcol]ポチ袋代わり、コースター代わり、メモ用紙、一筆箋として使用可能[/tcol] [/trow] [/table]
懐紙のスマートな携帯法
懐紙は、紙が傷まないように懐紙入れ（または袱紗挟み）に入れて持ち運ぶのが一般的です。
懐紙入れ：扇子や菓子切りなどの必需品をまとめて収納でき、お札やICカードを入れて財布代わりに使う上級者も
縦型懐紙入れ：蓋がなく縦に収納できるタイプもあり、バッグの中でも見つけやすく、日常使いでスマートに取り出せるよう工夫されている
【場面別】茶道の服装マナー
お稽古での服装
基本：洋服でも着物でも可（先生に確認）
色合い：落ち着いた色合い、派手な柄は避ける
機能性：動きやすく、正座しやすい服装
お茶会での服装
基本：着物が望ましい（格式の高いお茶会では必須）
洋服の場合：フォーマルな装いを心がける
色無地の着物：一つ紋入りであれば準礼装として最適
季節別の服装ポイント
[table type=”standard_minimal”] [trow] [thcol]季節[/thcol] [thcol]服装のポイント[/thcol] [/trow] [trow] [tcol]春[/tcol] [tcol]薄手のカーディガンを用意。桜や梅など春らしい柄の懐紙[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]夏[/tcol] [tcol]肌の露出を抑えるため羽織りもの必須。涼しげな色合い[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]秋[/tcol] [tcol]紅葉やいちょう柄の懐紙で季節感を演出[/tcol] [/trow] [trow] [tcol]冬[/tcol] [tcol]ブーツは避ける。もみの木や雪の結晶柄の懐紙[/tcol] [/trow] [/table]
茶道の服装｜よくある質問（FAQ）
Q1. 茶道のお稽古に洋服で行っても大丈夫ですか？
A. はい、大丈夫です。ただし、流派や先生によって考え方が異なるため、まず先生に確認しましょう。裏千家では比較的自由ですが、表千家では着物が基本とされる場合が多いです。洋服で参加する場合は、膝が隠れる丈のスカート、露出の少ないトップスを選び、白い靴下を持参しましょう。
Q2. 茶道で白い靴下が必須なのはなぜですか？
A. 茶室は清浄を保つ場所であり、お菓子や道具を置く場所でもあるためです。千利休の精神の一つ「和敬清寂」の「清」（清潔さ）を重視し、日常の汚れが付着していない白い足元が必須とされています。
Q3. 茶道でアクセサリーを外す理由は？
A. 茶碗や菓子器などの割れ物や漆器を扱う際、金属が当たって道具に傷をつけないためです。あなたの大切な道具や、亭主の貴重なお道具を守るための大切なマナーです。
Q4. 茶道のお稽古に適したスカートの丈は？
A. 正座した時に膝が隠れる膝下～ロング丈がおすすめです。フレアスカートやプリーツスカートは広がりがあり安心ですが、タイトなロングスカートは着物に近い着用感で正しい所作が身に付きやすいため特におすすめです。
Q5. 茶道の着物は何を選べばいいですか？
A. お稽古用には、抹茶をこぼすなどのトラブルに備え、自宅の洗濯機で洗えるポリエステルやレーヨン素材の着物が人気です。万能な着物としては、色無地（一つ紋入り）が最適です。柄がないため茶道の精神に通じ、帯の合わせ方で格を調整でき、準礼装としてお茶会にも使えます。
Q6. 茶道で香水がNGな理由は？
A. お茶会ではお香を用いることや、お抹茶の繊細な香りを味わうことが大切にされます。香水や匂いの強い整髪料は、場の調和を乱し、マナー違反となるため厳禁です。
Q7. パンツスタイルで茶道のお稽古に参加できますか？
A. 女性の場合、一般的にパンツ（ズボン）は避け、スカートが推奨されます。ただし、瞑想などを行う教室では、締め付けの少ないゆったりとしたパンツやスカートが勧められる場合もあります。
Q8. 茶道で懐紙は必須ですか？
A. はい、茶道では懐紙は必須アイテムです。お菓子を受ける皿代わり、口元や箸先を拭うティッシュ代わり、食べきれないお菓子や小骨を包む包み紙として、「受ける」「拭う」「包む」の3つの用途に使用します。
Q9. 茶道のお稽古着とは何ですか？
A. 私服の上から羽織るだけでお点前のできる格好になる便利なアイテムです。懐紙を入れられるポケットや、帛紗を挟むための腰紐など、茶道に必要な機能を備えています。着物のようなデザインの上下二部式やベストタイプなどがあります。
Q10. 冬にブーツで茶道のお稽古に行ってもいいですか？
A. ブーツは避けましょう。茶室は着物を着る前提で作られているため、下足箱が草履のサイズを基本としており、ブーツは置く場所がないことがあります。冬場であっても、ブーツ以外の履物を選びましょう。
まとめ｜茶道の服装は心遣いの表れ
茶道のお稽古の服装は、単なるルールではなく、「大切なものを守り、一緒にいる人が心地よく過ごせるための心遣い」です。
