ベルギーから来日して、現在大阪に在住するベルギー出身のハーブレヒツ・ティアス(ティアス宗筅(そうせん))さんは、日本文化および茶道の魅力を伝えるために、ベルギー人として初めて、日本茶インストラクター資格をもらい、海外の葉茶屋に向けての日本茶コンサルティング、個人や接客業者のためのお茶の楽しみ方、提供の仕方やマナーのトレーニングなど、利き茶イベント、ワークショップ、茶産地ツアーを行っています。また、茶ノ実鶴園のブランドで厳選した有機栽培日本茶をネットを中心に販売しています。
遠州流茶道の師範として資格も持ち、茶道やお茶の文化を世界に発信、日本茶と有機栽培に真摯に取り組む茶農家を応援するべくクラウドファンディングも実施しました。彼のようなお茶や茶道に対する熱い思いを持った海外の方が増えて日本文化が広がることは素晴らしいことですね。彼が実施したクラウドファンディングの目的は、「有機栽培茶生産者の支援」です。
有機栽培茶生産量の低さ
2014年の農林水産省の統計によると、日本で生産された緑茶の全産出量のうち、有機栽培のお茶は、わずか2.5%であるとの報告があります。有機栽培茶の生産量が少ない原因として考えられるのは、有機栽培茶の認知度の低さ、そして「有機」というものの中にでも良し悪しがあるということです。
例えば、有機JASの認定を受けている農薬や肥料さえ使用すれば、JASマークが取得でき、製品を有機として販売できます。でも、この場合は、慣行栽培とほぼ変わらない程度、農園に人工的な作為を加え、環境に負担をかけてしまうことになります。有機栽培で最も重要とされる要素はやはり、人工的ではなく、自然の流れで作られたものであることが大事だと考えられます。この要素なく、有機栽培茶として販売されれば、ブランドとしても評価が下がってしまう、とティアスさんは語ります。
有機栽培茶の生産と普及を通して、茶道の魅力や、お茶の美味しさ、そして人間一人ひとりの健康を鑑みた生活習慣を変えたいというティアスさんの挑戦は、これからも続きます。
参照:FAAVO