みなさんが「アンティーク着物」というものをご存じでしょうか?一般的な着物とはちょっぴり趣向が異なるそんなアンティーク着物の魅力についてご紹介していきます!
アンティーク着物とは?
一般的には、大正時代から昭和初期にかけて、戦前に作られたお着物のことを指していいます。
日本で最も着物の文化が発展した時期で、アールデコやアール・ヌーヴォー等の海外の文化が取り入れられ、日本人のセンスと合わさった事で、独特の柄ゆきや色合いが生れました。
アール・ヌーヴォーは、草花などの植物や、昆虫など自然のモチーフを曲線で表現した装飾的なデザインが特徴のデザインのことです。
対してアールデコは、定規で引いたような直線、コンパスで画いたような円や円弧といったいずれも幾何学模様が特徴のデザイン。
失われてしまった技術で作られたものや、高額になる場合もあることから
現在では再現することが難しいです。
いろいろなアンティーク着物♡
古典な柄行きはもちろん、海外の流行や文化が積極的に取り入れていた時代背景から、アールデコ、アール・ヌーヴォー、洋花の柄を取り入れたような洋風なものも多く、こんなモダンな柄ゆきが当時あったのかと驚くようなものもあります。
王道な古典文様です。
アール・ヌーヴォー風のバティック柄です。
乙女心ときめく可愛らしい小鳥さんと薔薇柄です。
アンティーク着物を着るには
アンティーク着物を着る時の注意点があります。
「身丈や裄丈が小さいものが多い」
当時の女性の平均身長は現代女性の−10cmだったことから、身丈が小さいものが多いです。
しかし、アンティーク着物をお召しになる方の中には、160cmの身長でも140cm身丈のお着物を着用される方もいらっしゃいます。
その場合は、おはしょりを作らずに着用したり、腰紐の位置を下げる等工夫をして上手に着用されています。一般的には身長-10cm前後でしたら工夫して着用できると思います
しっかり試着をしてサイズを確認することが大切です。
初めてさんが気軽に楽しむには帯からがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
戦後になると、人々は和装には戻らず、動きやすい洋装を中心に着用するようになりました。
大正時代はたったの13年間。短い期間に花開いた和装の最盛期に作られたアンティーク着物は、年々数を減らし続けています。
100年も前に作られたお着物が着用できる状態で今も残っているなんて奇跡に近いことだと思います。
私たちより何倍も長生きしているお着物。ぜひ一度手に取って体感していただきたいです。
近代建築をまわってみたり純喫茶や古民家カフェでお茶をして、
いつもと違った雰囲気を味わってみる休日、なんて素敵ですね。