たまには外でお茶を点ててみる。行く先で楽しむ茶道 「野点」の魅力

たまには外でお茶を点ててみる。行く先で楽しむ茶道 「野点」の魅力
2021年5月10日 MELETY編集部
In 作法

皆さんは「野点」という言葉を耳にしたことがありますか?一般的に野点とは外でお茶を点てる(たてる)という事ですが、つまり、自分の気に入った場所で自然に癒されながらお抹茶を飲んで楽しむという事です。

ここ数年SNSで野点の様子を投稿している方を多く見かける様になりました。旅先やキャンプで、あるいは近所の公園でのピクニックの際に、野点をしながら和菓子を食べて楽しむ方が増えたように思います。

茶道は興味があるけど気軽にお茶を飲みたいなだったり、茶道には普段から慣れ親しんでいるけれど気分を少し変えたいなという方におすすめの野点について、今回ご紹介していきます。

 
 

野点の魅力ってどんなところ?

©︎Reiko Okada

野点は茶道経験の長い方はもちろんのこと、お子さんから普段はバリバリお仕事をされているビジネスマンの方も含め老若男女問わず幅広い方から親しまれつつあります。

型式ばったお堅いお稽古はなんだか手が届かないけど、お抹茶とお菓子を自然の中で気軽に楽しみたいという方の間で広がっているのです。

筆者自身も野点を経験したことがありますが、自然の中で美味しい空気を吸いながら、緑あふれる空間の中でお茶を頂く時間は本当に格別なものでした。この様な空間で野点をすることは、喧騒から逃れほっと一息出来る様な安心できる空間を与えてくれる素晴らしい時間なのです。

よく「茶道を習っています」というと周りから驚かれると共に、「なんだかお上品だね、別世界だなあ」と言われる事がありますが、野点にはまた違う世界観があり、せわしない現代を生きる私達が必要としている他ではなかなか生み出す事のできない癒しの時間だったりするのです。

 
 

野点で用意するもの

それでは実際にやってみましょうということですが、興味はあるけど手軽にやりたい、友人にもてなしたいけど道具がないという方もいらっしゃると思います。最低限用意するものは、以下の通りです。

  • お茶碗
  • 茶筅
  • お抹茶
  • 小さめのスプーン
  • お湯

お湯は家から保温性のある魔法瓶等に熱々のお湯を注いで持っていくと良いでしょう。
それからお抹茶に欠かせないお菓子を用意したら、あとはそれらを自分の好きな場所に持っていくだけ。

お茶碗に関しても、お抹茶を頂く為のお茶碗である必要はありません。

お家にあるもので十分です。縁が広く深めのものですと抹茶を点てやすい為お勧めです。
お菓子は季節の和菓子を用意するのも良いですし、チョコレートやクッキー、もちろん甘いものでなくても良いです!

決まりは全く無いので、思い思いに楽しんでみてくださいね!

楽しむコツは、カフェでコーヒーを楽しむみたいに、公園などで自分で点てた抹茶を飲んでリラックスする事。

 
 

野点でお客様をおもてなししよう!

日頃から茶道に慣れ親しんでいる方は、すでにお道具をいくつかお持ちだと思います。

お茶碗や茶杓、茶入れなどお道具を少しづつ変えて楽しむのも野点の醍醐味の一つですね。例えば、今日はこのお茶碗を使おうとその日の気分で選ぶのも良いです。また、お茶を点てて差し上げる相手を想像しながらお茶碗を選ぶことも素敵なことだと思います。

おもてなしをされた側は、お茶を楽しむのはもちろんの事、用意されたお茶碗や茶杓などのお道具について尋ねてみても良いですね。

大切な事は、感謝の気持ちとともに生み出してくれたその空間を楽しむ事。

普段はお稽古場や家など決まった場所でしかやらない茶道も、たまにはお稽古のことは忘れて自然の中で楽しむと、初心に帰った気持ちで茶道の楽しさを改めて感じる良い機会かもしれません。
 
 

野点で、ほっと出来る特別な時間を。

ただ景色を眺めに行くのも十分素敵な事ですが、その空間でお茶を味わうことは、その時間やその場所が特別な空間となり素晴らしい記憶として残ります。

また、美味しくお茶を点てようとすることは、無心になれる時間をくれて、自然と自分の気持ちに余裕を持つことが出来ます。

そして、大切な誰かの為にお茶を一服差し上げることは、対面で会わなくても事が済んでしまう今の時代だからこそ、相手の心の温もりを感じられる特別な機会でもあるのです。

人との距離が今までより遠くに感じてしまうこんな時代に、「野点」で日々の暮らしや旅先をより特別な時間にしませんか?