茶道で使う道具はたくさんありますが、その中で「懐紙=かいし」について、今回ご紹介してきます。
毎日の生活をもっと素敵に! 和の伝統品・懐紙の魅力
懐紙とは、「ふところ=懐にいれて携帯する紙」のことをさしますが、元々は、もともと料紙という、和歌や俳句を書く紙のことで、これを懐中に忍ばせたことから懐紙と呼びました。そこから派生し、着物が日本人の間で一般的な普段着だった頃までは、常に懐に入れて持ち歩き、現代でいうところのハンカチ、メモ用紙など、多くの使い方があった、生活になくてはならない必需品でした。
茶道や懐石料理で必須アイテムとされる懐紙は、日常的な使用機会が少ない方がほとんどです。普段から懐紙を活用する女性は、和のたしなみを心得た方として周囲から評価されることも多いでしょう。
小さなパーティーバッグでも、懐紙を1枚忍ばせておくだけで万能な活用が可能となります。懐紙は上質な和紙を半分に折った伝統的な紙製品となります。
和紙ならではの優れた機能性により、ハンドタオルやティッシュ、レターペーパー、メモ、お皿、敷物、ラッピングペーパーなど、実に多彩な用途で重宝します。
古くは手拭いや鼻かみ紙、和歌を記す便箋、茶道具の手入れ、和菓子を盛る皿として愛用されてきました。
時代劇の着物シーンでは、襟元に懐紙を差している場面が頻出するほど、懐紙は教養のシンボルとされていました。懐紙使いは洗練された大人の所作として認識されています。和食のマナーでは、汁物をすくう際に手を添える「手皿」は避け、器を持ち上げるか懐紙を添えることが推奨されます。
現代では懐紙を実践的に使用する機会が減少し、取り扱いに不慣れな方も増えています。無地タイプが基本的な懐紙ですが、四季の情景を描いた華やかな柄物も豊富に展開されています。
持ち運びの際は、専用の懐紙入れやポーチで大切に保管することをおすすめします。懐紙入れは布製や紙製など素材も豊富で、デザインも幅広く取り揃えられています。
男性向けの懐紙も販売されており、女性用と比べてやや大きめのサイズ感が特徴です。
懐紙の真価は、紙としての機能性だけでなく、日本人の暮らしに寄り添い続けた文化的価値にも見出すことができます。
懐紙の使い方の例
・敷き紙
・メモ用紙や一筆箋
・心付けを渡すとき
・口元をふく
・コースター
・テーブルにこぼしたものを拭き取る
・ハンカチ
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和食マナーを彩る上品なアイテムとして
食事中に手をさっと清めたい場面や、調味料をたらしてしまった際に、ティッシュペーパーの使用は見た目が乱雑になってしまいます。
懐紙なら繊細な和紙の質感で優雅に汚れを取り除くことができ、折り畳んで置いても雰囲気を損ないません。
魚料理の際の骨抜き補助や、リップメイクのグラス跡を拭き取る用途としても重宝します。
おもてなしに映えるドリンクマット
市販のコースターは種類が豊富にありますが、グラスとの相性や見た目の調和に悩むことも少なくありません。
懐紙を4つに折るだけで、どんな飲み物にもマッチする吸水性抜群の上質なコースターが完成します。
ゲストをお迎えする際は、ナプキン代わりにもう1枚添えることで、より心遣いの行き届いたおもてなしを演出できます。
粋な心付け包みの作り方
既製品のポチ袋は豊富に販売されていますが、急な場面で手元にないことも想定されます。
懐紙があれば、洗練された和の心づかいとして金銭を包むことができます。
お年玉やお小遣いはもちろん、お稽古事の月謝やちょっとした借用金の返済、旅館での心付けなど、様々なシーンで活用できます。
簡単な折り方をご紹介いたします。
1. 懐紙の端から3分の1の位置で折り目をつけます。
2. 反対側も同様に3分の1の位置まで折り返します。
3. 裏面に返して両端を軽く折り込みます。
4. もう一度裏返せば出来上がりです。
用途に応じて「御礼」「御心付け」「月謝」などの文字を添えたり、デコレーションを施したりすることで、オリジナリティ溢れる和モダンな包みに仕上がります。
市販品とは一線を画す、趣のある包み紙として活用してみてはいかがでしょうか。
和の食卓を彩る盛り付けアイテム
懐紙は揚げ物の油切りや豆腐の水切りなど、実用的な敷き紙としても活躍します。
扇状に広げて盛り付けることで、和の趣き漂う上品な演出が可能となります。
お茶席での使用する場合
懐紙の活用法は多岐にわたりますが、茶道の作法では特に和菓子を頂戴する際の使用が重要となります。
茶席での懐紙の基本的な使い方を、順を追ってご説明します:
1. 懐中から懐紙を取り出し、菓子切りを挟んでおきます。
2. 懐紙を自分と和菓子の間に美しく配置します。
3. 和菓子は右手前から順番に取り、懐紙の上に静かに置きます。
4. お箸についた和菓子の跡は、懐紙の端で丁寧に拭き取ります。
5. 右手でお箸を返し、懐紙は左手で胸元まで上品に持ち上げます。
6. 菓子切りを使って和菓子を適度な大きさに切り分けます。
7. 和菓子を召し上がった後、菓子切りの汚れを懐紙できれいに拭き取ります。
8. 使用済みの懐紙は左袖にそっとしまいます。
水分を多く含む和菓子、例えば水饅頭などの場合は特別な配慮が必要です。
懐紙が濡れないよう、硫酸紙などの防水紙を使用します。
水饅頭は銘々皿や銘々鉢に匙を添えて供されることもあります。
銘々皿でお出しする場合は懐紙に移し替えますが、銘々鉢の場合はそのままお召し上がりいただきます。
茶道ではこのような場面で使用しますが、流派などで多少異なった作法になります。一般的な状況でも、汁っ気の多い食べ物を口に運ぶ際に、垂れないように懐紙を使ったり、容器からお水などを注ぐ場面で、注ぎ口に懐紙を添えることもあります。
また、お金を渡すときにお札をむき出しにせず、懐紙に挟んで渡す、というのも大人のたしなみもあります。
おすすめの懐紙をご紹介
■ 懐紙 同柄30枚入 全8種 和詩倶楽部
懐紙は折ることによって箸袋やポチ袋に早変わり。折った状態にお菓子を置いても見栄えがよくなります。ひとつあれば様々な用途でお使いいただける懐柄紙、8柄からお好みの柄を見つけてください。
¥440+送料¥300
■和紋 オリジナル懐紙 30枚入り
和紋より情景のグラフィックを載せた懐紙の登場です。12柄と豊富なバリエーションがあります。
大人のたしなみとして携えておきましょう。
¥440+送料¥280
■たなばた 七夕 懐紙 20枚入
こぼれたものを拭いたり、お金を渡す際に包んだりと用途は様々です。
小さいのでバッグにしのばせておくと便利です。
¥385+送料¥260
持っていて便利な「懐紙」。皆さんも茶道での使用を通して、日常生活でも使ってみることをおすすめします!
懐紙と懐紙入れの購入ガイド:おすすめのお店をご紹介
懐紙は予想以上に身近な場所で入手することが可能です。
無地タイプの懐紙は1束(30枚入り)200~300円程度で販売されています。
季節の絵柄や繊細な透かし模様が施された上質な懐紙は、500円前後の価格帯となります。
プチプラ志向の方には、100円ショップの商品もおすすめです。
懐紙入れは主に茶道具専門店や和小物ショップで取り扱われています(◎印)。
価格は数百円台から1万円超えまで、デザインや素材によって幅広く展開されています。
お得なセット商品として、懐紙と懐紙入れがパッケージになった商品も販売中です。
以下に主な取扱店をご紹介します:
販売場所 | 取扱価格帯 |
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百貨店(茶道具・リビング・文具) | ◎ 中~高価格 |
東急ハンズ・ロフト | △ 中価格 |
茶葉専門店 | △ 中価格 |
和雑貨ショップ | ◎ 中価格 |
京都・金沢の土産店 | ◎ 中~高価格 |
100円ショップ | × プチプラ |
オンラインショップ | ◎ 全価格帯 |
懐紙を挟めるデニムワンピース♡
■デニムロングワンピース
MELETYブランドで販売するデニムワンピースです。懐紙や服紗を入れる為のポケットを胸前に取り付けました。
レストランやカフェに行った際に胸ポケットに懐紙やハンカチを忍ばせておけば、口元を拭きたい時などにさっと使えてとても便利♪