茶道具「振出」ってどうやって使うの?役割や選び方も解説!

茶道具「振出」ってどうやって使うの?役割や選び方も解説!
2024年10月4日 MELETY
In 振出, 茶道具

茶道の世界には、数々の美しい茶道具が存在しますが、その中でも「振出(ふりだし)」はとても特徴的なアイテムの一つです。この記事では、「振出」の基本的な使い方や役割、選び方など、初心者から茶道愛好家まで幅広く役立つ情報をお届けします。

 

振出とは?その役割について

振出とは、茶道で用いられる茶道具の一つで、主に金平糖や干菓子などの甘味を入れて供するための器具です。小さくてかわいらしい形をしており、陶器や漆器、金属製のものまでさまざまな素材で作られています。通常は、茶会の際に客人へ提供される和菓子が「懐紙」に載せられ、点前の合間に甘味を楽しむ役割を果たしています。

 

振出の歴史と文化

振出は、江戸時代から茶会で使われ始め、特に**干菓子**など保存が効く甘味を美しく保存し、提供するために用いられてきました。日本の茶道は、道具や所作を通じて四季折々の風情やもてなしの心を伝えるものですが、振出もその一環として重要な役割を果たしています。茶道の道具としての「振出」は、和菓子や茶会の雰囲気を引き立てる装飾品としても重要です。

 

振出の選び方

振出は、素材やデザインが豊富で、季節や茶会のテーマに合わせて選ぶことができます。ここでは、選び方のポイントをご紹介します。

1. 素材で選ぶ

振出の素材には、以下のようなものがあります。

■陶器製
日本の伝統的な陶器で作られたもの。素朴で温かみのある質感が特徴で、季節を問わず使用できます。

■漆器製
漆を使ったものは、高級感があり、格式の高い茶会にも適しています。特に秋冬の茶会では重宝されます。

■金属製
金属製の振出は、モダンなデザインが多く、現代的な茶会やカジュアルな場面で人気があります。

2. 季節感を大切にする

茶道では、季節感を大切にすることが基本です。振出もその例外ではなく、春には桜をモチーフにしたもの、夏にはガラス製や涼しげな青や緑を基調としたデザインの振出を選ぶと良いでしょう。秋冬には、暖色系の色合いや漆器の落ち着いたデザインが好まれます。

3. 形やサイズ

振出の形は丸みを帯びたものが多いですが、角張ったものやユニークなデザインも存在します。また、サイズも重要で、大人数の茶会なら大きめの振出、小規模な茶会や家族での茶会なら小さめのものを選ぶと良いでしょう。

 

振出の使い方

振出の使い方はとてもシンプルですが、茶道の作法に則った正しい使い方を学ぶことが重要です。以下に振出の基本的な使い方を解説します。

1. 菓子を入れる

振出には、あらかじめ**金平糖**や**干菓子**を入れておきます。茶会の開始前に振出に詰める際、菓子の量や種類に気を配り、過度に詰め込みすぎないことが大切です。菓子が振出からこぼれない程度に入れ、蓋をしっかりと閉じます。

2. 客人に提供する

茶会の最中に、振出を用いて客人に干菓子を提供します。この際、**懐紙**を忘れずに用意しましょう。客人には、振出を振り出し、菓子を手渡すのではなく、懐紙に載せて提供するのがマナーです。

3. 振出の扱い方

振出は、その名の通り、手で軽く振って中の菓子を出す道具です。振りすぎないように注意しながら、優しく手の中で回すようにして菓子を出します。あまり強く振ると、菓子がこぼれてしまったり、道具を傷つけたりすることがあるので、あくまで丁寧に扱うことが肝心です。

4. 菓子がなくなった場合の対応

振出に入れた干菓子がなくなった場合は、新たに補充するか、他の菓子器で代替することができます。特に大人数の茶会では、菓子が足りなくなることがあるため、予備の菓子を用意しておくとスムーズです。

 

振出の保管とお手入れ

茶道具は長く使い続けることが重要で、振出も同様です。適切なお手入れを心がけることで、長く美しい状態を保つことができます。

1. 使用後の洗浄

振出を使った後は、**乾燥した布**や**柔らかいスポンジ**で優しく拭き取ります。特に漆器や陶器製の振出はデリケートなので、強くこすらないように注意しましょう。水に濡らしすぎると、素材にダメージを与えることがあるため、必要最低限の水分で手入れします。

2. 保管場所

振出は直射日光や湿気の多い場所を避け、風通しの良い場所に保管するのがベストです。特に漆器や木製の振出は湿気に弱いため、湿度管理に気をつけることが重要です。また、振出を複数持っている場合は、重ねて保管せず、個別に布で包むなどして保護しましょう。

 

まとめ

茶道具「振出」は、茶会において甘味を提供するための大切な道具であり、その使い方や選び方、保管方法には注意が必要です。素材やデザイン、季節感を考慮しながら、自分に合った振出を選び、茶会の雰囲気を一層引き立てましょう。正しい扱い方を学び、振出を通じて日本の茶道文化をさらに深く楽しんでみてください。