伝統を真っすぐに受け継ぐ 表千家認定の若き茶人

伝統を真っすぐに受け継ぐ 表千家認定の若き茶人
2016年9月4日 MELETY
In 教室, 茶道男子

岡田和弘さんは、平ったく言えば「お茶の先生」です。こう言うと、ちょっと訳知りふうな人物像を想像しがちですが、実像はなかなかすがすがしい、頬のあたりに初々しさが見え隠れする若き茶人なのです。

肩書きにしたって若々しく「茶会スタイリスト」、それに「世界茶会」の主宰者と、まさにいまふうです。もちろん、れっきとした千利休(1522年~91年)、戦国時代から安土桃山時代の茶人を祖とする表千家の相伝を得た、すなわちお免状を授与された「茶道講師」の資格者です。

場所は都内品川区。小住宅が肩を寄せ合う下町ふう住宅地の迷路のような路地を行き、辿り着いたのが、一時代前の造りの2階建ての日本家屋です。よくぞ現存されていたものよと、古民家の佇まいに見惚れたが、後で聞けば、建物や建具に造詣の深いオーナーだそうで、建具用材の吟味の程は流石、昔かたぎの職人の目と腕が光っていました。

しかし、持ち主はお茶には関心がなかったそうで、借り手の岡田さんが階下広間、八畳間に炉を切って茶室としたそうです。

建物の廊下に面した2間の雪見障子は、立春の柔らかな日差しを映し、床の間脇の書院棚は白ガラス窓の淡い外光、これら採光で以って仄明るさに包まれた広間は、坐禅堂に座した折の、あの空気感を思い出させます。茶道の起こりが「禅」であればのことですが、利休を論じた書物に、わび茶の小間茶室は「母の胎内のイメージ」との記述も、生々しく想起されます。

岡田さんは2002年20歳の時にはコロンビア大学での“ティー・セレモニー”に参加、翌年は舞台美術展のプラハ・カドリエンナーレ“ナショナルデー・日本ブース”の茶会、と海外での経験をしています。

 

岡田さんは現在「世界茶会」という、気軽にお茶に触れてもらえる機会を作るワークショップを定期的に開催されています。皆様も足を運んで訪れてみてはいかがでしょうか?

名称

“はじめての茶の湯体験”世界茶会

住所

東京都港区高輪3-25-27 アベニュー高輪1407, 108-0074

営業時間

日曜日:10:00~19:00

公共交通機関

JR品川駅「高輪口」より徒歩3分
【アクセス】http://www.chakai.jp/contact.html

サイト

http://www.chakai.jp/

引用:WEDGE(ライター:林えり子さん)